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こちらのページをひらき、目を通していただいているみなさま、こんにちは。佐藤二葉と申します。お時間をいただけてうれしく思います。ありがとうございます!

これから一か月ほど、11月11日・12日に上演いたします『ひとりギリシア悲劇 コエーポロイ』に向かって、古代ギリシアやギリシア悲劇にちなんだささやかなコラムを連載してまいります(全五回予定)。お暇つぶしに覗いていただければ幸いです。

 

突然ですが、わたしは古典ギリシア語の感嘆詞が好きです。感嘆詞とは、感動や、悲しみや、呼びかけ、応答などを表す語で、日本語で言うと「ああ!」とか「うおー」とか、「よっこいしょ」とか、日常生活でもよく使う、こういった類の言葉のことです。なぜ古代ギリシアの感嘆詞が好きなのか、と問われると困るのですが、理由の一つに、響きがとてもおもしろく、場合によってはかわいく、わたしの耳には聞こえるから……ということがあります。以下に、いくつか、わたしのお気に入りをあげます。

ぺう!φεῦ (悲しみや怒り)
いおーもいもい!ἰώ μοι μοι (演劇的な感嘆詞、たいがい悲しみや苦しみ)
おいもい οἴμοι (悲しみや恐怖、怒り、驚きなど)
ぽぽい・だー!πόποι δᾶ (驚きや怒りや痛み)
えうほい!εὐοἵ (ディオニューソス神の祭祀の掛け声)

これらは複合技が使えたりもします。たとえば、ぺう!は二回繰り返して「ぺうぺう」という風にも使えますし、「いおーもいもい・ぽぽいだー!」という風な組み合わせも可。必殺技みたいでかっこいいですね!!!また、狂気と酩酊・ぶどう酒と演劇の神であるディオニューソスを祭る熱狂の掛け声「えうほい」は、なんだか「わっしょい」に似ていないでしょうか。

古典ギリシア語はなかなか手ごわい言語ですが、感嘆詞を覚えて、とっさに叫べば、気分はもう古代ギリシア人です。ピンチに陥った時、悲しみにくれた時、すかさず「ぺう!」「ぽぽいだー!」と唇からもらせば、ギリシア神話の英雄の気分が味わえること間違いなし!(ちなみに、わたしはいつも、一緒にえうほい!と声を上げてくれる仲間を募集しています)

それでは、みなさまχαίρετε(ごきげんよう)!
ふたばでした。

 

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